株式会社の特徴
- Hajime Higashiyama
- 7月22日
- 読了時間: 4分
先日は会社の種類について説明をしたが、今回は、以前の記事でも少し触れた株式会社の特徴について見ていきたい。
まず、株式会社の特徴としてあげられるのは、会社の所有が株式という持分によって不特定多数に細分される点である。
株式を保有する者、つまり株主を広く募ることができるので、多くの資金を集めることができる。
従って、株式会社は大規模企業向け、あるいは大規模な事業向けと言える。
あるいは、スタートアップのような成長志向の会社向けとも言えるだろう。
次に、すべての株主は有限責任である。
株主は、会社の株式を引き受けるときに(出資するときに)、支払った資金以上の責任を負うことはない。
万が一、会社が倒産したとしても、株主はその出資額を超えて金銭や財産を負担することはない。
だから「有限責任」なのである。
これも株式会社が多くの資金を募ることができる大きな理由である。
有限責任のもとでは、最も大きなリスクは出資したお金が全部パーになること。
メリットは、うまくいけば、リターンは理論上青天井であること。
投資したスタートアップが大成功すれば、出資額が何十倍、あるいは何百倍にもなって返ってくることだってあり得る。
もちろん、Aさん、Bさんの2人の株主がいて、AさんがBさんの2倍の株式を保有していたとすれば、同時に(同じ株価で)全株式を売却すれば、AさんはBさんの2倍のリターンを得られる、ということである。
但し、株式を保有した時の株価によってキャピタルゲインは変わってくる。
例えば、Aさんが1株1,000円で買った株式を10,000円で売却すれば、キャピタルゲインは9,000円だが、Bさんが1株2,000円で買った株式を10,000円で売却すれば、キャピタルゲインは8,000円となる。
ちなみに、株主の義務とは、「株式と引き換えにお金を支払うこと(「株式の払込み」を行うこと)」のみである。これを「出資の履行」とも言う。
さて、前述のとおり、株主が有限責任であるということは、万が一、会社が倒産したとしても、株主はその出資額を超えて金銭や財産を負担することはないということ。
会社を清算するにあたり、全ての資産を現金化し、債務の返済に充てた後に、なお残った正味の負債については、会社にとって返済原資が既に尽きているので、その分はすべて債権者の損失となる訳である。
つまりよく言う「貸し倒れ」である。
そこで、会社財産の維持とその情報開示の目的で、会社法では、すべての会社に対して計算書類(貸借対照表や損益計算書など)を作成および決算を一般に公表する決算公告を義務づけている。
ちなみに、この決算公告をどのような方法で行うかは、会社定款で規定される。
スタートアップを含む中小企業の場合は、官報への掲載とすることが多いだろう。
さらに、配当についても、債権者の保護の観点から、ざっくり言えば会社の総資産から負債や資本金を差し引いた剰余金の範囲内でしか行えないことになっている。
これを配当可能限度額と呼んでいるが、そういう制約を設けないと、本来は債権者への返済にまわすべき財産(資金)が配当金として社外に流出していってしまうおそれがあるからだ。
機関としては、株式会社には株主総会と取締役の設置が義務づけられている。
一方、取締役会の設置は義務づけられていないことに注意。
考えれば分かることではあるが、取締役が一人では取締役会はやりようがない。
但し、取締役会を設置できるのは、取締役が3名以上の場合であることには注意。
その他の注意点としては、取締役が複数人いても取締役会の設置は義務ではないこと。
取締役が複数いても、取締役会は(まだ)設置していないスタートアップも多い。
その場合、重要事項の決定は、「取締役会決議」ではなく、「取締役決定」というかたちになる。
議事の記録書類も、「取締役会議事録」ではなく「取締役決定書」となる。
取締役は必ずしも株主でなければならないことはない、ということは以前の記事でも触れたとおりである。
会社法の施行前には、会社の設立にあたり、最低資本金額は1千万円という縛りがあったのだが、会社法ではこの縛りはなくなって、最低資本金は1円でもよいことになっている。
但し、現実的にはたった1円の資金で企業運営はとてもできないので、仮に1円で会社を設立したとしても、その後に何らかのかたちでファイナンスすることが必要にはなるし、会社定款の作成・公証の費用や、会社設立登記などの費用が必ず発生するので、そもそも手元にある資金がたったの1円でも会社は作れます、ということにはならない。
以上、株式会社の特徴について簡単にまとめてみた。
一見簡単に運営できそうに見えても、実際は様々な制約もあり、そう簡単にはいかないということがお分かりいただけただろうか。
では、また。
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